Shinobu Ishiiのひとり言 #2

先週の日本ゴルフツアーは、三戦目にして早くもメジャーである日本プロゴルフ選手権だった。

女子プロゴルフツアーで言うところの『選手権』である。男子だと『日本プロ』なのだが、女子の会場でそう言っても選手たちは何の試合なのかピンと来ないだろう。その逆然りで、男子の会場で”選手権”と言っても通じない。男子で”選手権”と言えば、月末に控えている”ツアー選手権”。男女のツアーで、その呼び名にも差があるのです。

さて、そんな日本プロですが、優勝したのはオーストラリアのA・ブランド。

A・ブランドは、2014年から日本のツアーに本格参戦。16試合に出場し、14試合で予選通過。パーオン率9位、パーキープ率リカバリー率は共に1位という抜群の安定感で楽々初シードを獲得。2015年は、開幕戦予選落ち、二戦目で56位と振るわなかったが、三戦目でメジャーのビッグタイトルをものにした。

これで、開幕戦のM・ヘンドリー、二戦目のI・J・ジャンに続き、三戦連続で外国人プレイヤーの勝利となった。これについて、ウェブ上ではネガティブな意見が多いが、出場していた選手からはこんな声もあった。

『インターナショナルツアーみたいで良いじゃないですか!』

11アンダーの4位タイだった川村昌弘プロの弁だが、アジア、ヨーロッパを転戦する彼にとっては、外国人が勝利するシーンには慣れているだろうし、そもそも日本人と外国人という住み分け自体が無いのかもしれない。アメリカでヨーロッパ人が勝って、ヨーロッパでアジア人が勝って、アジアで日本人が勝って、自国のプレイヤーが『だらしない』と言われるだろうか。開催国として、日本人を応援する気持ちはごくアタリマエのことなのだが、ネガティブ過ぎるのは良く無い。

塚田好宣プロはTwitterでこのようにもつぶやいている。

圧倒的な強さで、昨年に続き連覇を果たしたイ・ボミの周りにはいつも大勢のギャラリーだ。ゴルフ雑誌の表紙を飾る週も増えてきている彼女は、現在日本のツアーで一番の人気と言っても過言では無いだろう。そんなイ・ボミは、日本のツアーに魅力を感じ、腰を据えて戦ったことで強くなった。

魅力あるツアーが、魅力あるプレイヤーを育て、それを観る人が増える。このベクトルを考えると、外国人プレイヤーが強いこと自体は、ともすればプラスの要素とも捉えることができるのではないか。

テレビも良いが、週末に男子ツアーを観戦に行ってみたらいかがだろうか。そして素晴らしいプレーに歓声を上げ、プレー後に声をかけてみたら…そう、日本人でも、もちろん外国人でも良いのです。日本のツアーは、れっきとしたインターナショナルツアーなのですから。

<石井忍プロフィール>

日本大学ゴルフ部出身。ツアープロからコーチに転身。現在では、ゴルフ雑誌やインターネットを中心としたメディアやジュニアゴルフトーナメントのアドバイザーなど、多岐にわたり活動。また、ゴルフ練習場ジャパンゴルフ(千葉市)にてACE GOLFCLUB:エースゴルフクラブを展開し、アマチュアに向け、その経験を活かしたレッスン活動も行っている。

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